「学校に行きたくない」が毎朝繰り返されます | 登校拒否の裏に隠れた子どもの体と心
毎朝泣いていた子ども、その涙が語るもの
「先生、うちの子は朝になると頭が痛いと泣くんです。
学校に行かせようとすると、足に力が入らないと座り込んでしまいます。
ご飯も食べられず、吐きそうだと言って。」
9歳のジュンソ(仮名)のお母さんは、そう言いながら席に着きました。
ジュンソは小学3年生、共働き家庭の一人息子でした。
放課後に2つの塾に通い、夜9時を過ぎてやっと帰宅する毎日が続いていました。
3年生になって担任の先生が変わりクラスの友人関係も変わったなか、2学期に入ってから毎朝頭痛とめまいを訴えるようになったとのことでした。
最初は小児科を受診しました。
血液検査を行い、脳のMRIまで撮影しましたが、結果はすべて正常でした。
「検査では何も異常がないのに、子どもは本当に痛いと泣くんです。
仮病なのか、私が何か間違っているのかわからなくて。」
お母さんの声には心配と罪悪感が入り混じっていました。
毎朝繰り返される症状は登校拒否へとつながり、親が追い立てると子どもはさらに萎縮していきました。
萎縮した子どもの症状はさらに悪化し、親の罪悪感も深まる悪循環が続いていました。
私はジュンソの頭痛を単純な頭の問題としてだけは見ませんでした。
子どもの消化の状態、睡眠の質、そして感情をどのように表現するかを一緒に見ていく必要がありました。
こういう子どもに会うたびに、私は親御さんの気持ちにも深く共感させられます。
子どもが痛いと言うとき、最も苦しいのは子どものそばにいる親御さんだからです。
では、検査で何も異常がない子どもが、なぜ毎朝痛むのでしょうか。
頭が痛いのは頭だけの問題ではありません
韓方医学では、このような状態を심비양허(心脾兩虛)という観点で見ます。
심비양허とは、心を主宰する심(心)と、消化を担当する비(脾)が共に弱まった状態のことです。
心のエネルギーと体のエネルギーが同時に底をついた状態とご理解ください。
バッテリーがほぼ切れかけた小さな機械を思い浮かべてみてください。
画面は点滅し、音は途切れ、ボタンを押しても反応が遅い。
子どもの体も同じです。
エネルギーが不足しているから、朝起き上がることからつらくなり、頭が痛く、食欲がなく、脚に力が入らないのです。
医学的には機能性身体化症状と言います。
検査上は構造的な異常はないものの、自律神経系が過剰に反応することで、
頭痛、腹痛、めまいといった症状が実際に現れるものです。
子どもが作り話をしているのではありません。
体が本当に痛いのです。
韓方医学でいう기혈(氣血)が不足した子どもの体は、根が干上がった小さな木のようなものです。
葉が萎れ、枝がしなだれるのは葉っぱの問題ではありません。
根に水が届いていないからです。
頭痛は頭の問題ではなく、体全体のエネルギー循環が滞っているところから来るサインなのです。
ストレスが消化機能を低下させ、消化できないから栄養の吸収が減り、栄養が不足するから기혈(氣血)がさらに弱まり、기혈(氣血)が弱まるから感情のコントロールも難しくなります。
子どもの体と心は、このようにお互いに絶え間なく影響を与え合っているのです。
では子どものために何をしてあげられるでしょうか
最初に見直すべきは子どもの睡眠です。
夜10時より前に就寝するだけでも、成長ホルモンの分泌と自律神経の安定に役立ちます。
眠る前の30分は、スマートフォンやタブレットの代わりに、親と静かに話したり、軽い絵本を一緒に読む時間に変えてみてください。
食事においても見落としてはならないことがあります。
朝食を抜く子どもに無理に食べさせるより、温かいお粥や重湯のように消化しやすいものから始める方がよいでしょう。
비위(脾胃)が弱い子どもには、冷たい牛乳やパンより温かいスープ一杯の方がずっと助けになります。
そして何より、子どもが自分の感情を言葉にできる環境を作ってあげてください。
「なぜ学校に行きたくないの?」と追い立てるより、「今日、体のどこかが不快?」と聞いてあげる方がよいでしょう。
子どもは自分の感情を言葉で整理する力がまだ育っている最中です。
だからこそ、心の苦しさが体の症状として先に現れるのです。
もし子どもの頭痛や腹痛が2週間以上続いたり、体重が目に見えて減ったり、睡眠が大きく乱れている場合は、必ず専門の医療機関を受診して精密な評価を受けてください。
子どもの体が再び朝を迎える日まで
2ヶ月後、ジュンソのお母さんから連絡がありました。
子どもが朝に自分で起きて学校の準備をするようになったという話でした。
もちろん一夜にして変わったわけではありません。
子どもの体全体のエネルギーを高め、消化機能を回復させ、眠りの質を上げる過程が共に実を結んだ結果でした。
私は、子どもの治療は単に症状を抑えることではなく、体の環境を変える過程だと考えています。
子どもによって体質と状態が異なるため、同じ頭痛でもアプローチは違わなければなりません。
子どもの体が送るサインに耳を傾けてください。
その小さなサインの中に、回復のカギが宿っています。
子どもの体は大人よりもはるかに驚くべき回復力を持っています。
私の役割は、その回復力が正しく機能できるよう共に道を探す伴走者です。
私でなくても、子どもの体と心を共に丁寧に診てくださる医療者に必ずお会いいただければと思います。
✍️ 東済堂韓医院 院長 崔章赫 監修