
Q 鍼を打つと本当に動悸が減るのですか。心臓に鍼を刺すわけでもないでしょうに。(50歳・会社員)
A 鍼治療は心臓を直接刺激するのではなく、自律神経のバランスを整える方向に働きます。緊張や不眠と絡んだ動悸では体感の変化を報告される方が多いです。ただし不整脈そのものを矯正する治療ではありません。
詳細回答
もっともな疑問です。正確に申し上げると、鍼治療の目標は心筋や電気信号を直接変えることではありません。交感神経が過度に優位な状態を和らげ、体が休むほうへ傾くようにするのが目標です。
実際の診療で体感がよいのは次のような方です。緊張すると動悸がする方、眠りが浅く夢が多い方、首・肩がいつも凝っていてため息が多い方です。こうした方は治療後、動悸の回数より強さと持続時間が先に減ることが多いです。
逆に率直に申し上げる部分もあります。心房細動のような持続性不整脈、弁膜疾患による動悸は鍼治療では解決しません。このときは循環器内科の治療が中心です。
通常は週2回、3〜4週ほど行った後に変化があるか一緒に点検します。それまでにはっきりした変化がなければ方向を立て直します。
漢方クリニックの観点
同じ動悸でも体の状態によって治療の方向が異なります。内部が緩んで水分が停滞した方、潤いが不足して落ち着けない方、緊張が抑え込まれている方を分けて、鍼治療とお灸の組み合わせを変えて構成します。必要であれば体質に合わせた漢方薬も併用します。
