テニスなしのテニス肘:主婦と会社員が90%である理由
私は東制堂漢方院の院長、最長赫です。
本日は肘の問題についてお話しします。院長である私も患者さんも悩まされるこの疾患についてです。
多くの方がテニス肘という別名のため、テニスをしなければ発症しないと考えています。
「テニス肘です」「でもテニスはやっていないのですが」
診察室でのとても日常的な会話です。
この外側上顆炎の別名についての興味深い逸話があります。
この疾患の名称は1873年にドイツ人医師ランゲによって「筆記者痙攣(Writer's Cramp)」として初めて記述され、
その後テニス選手に頻発するようになり、現在の別名を得たそうです。
19世紀は本当にロマンの時代だったのでしょうね。
しかし疫学的データによれば、患者の90%以上はスポーツ活動と無関係であり、
主に手首伸筋の反復的な使用を必要とする職業従事者や家事労働者に発症するとのことです。
結局のところ、テニス肘という別名よりも「家事手伝い肘」程度の別名の方が適切だったのではないでしょうか?
年間発生率は一般人口の1%から3%に達し、
特に30代から50代の経済活動人口でピークを示す傾向が見られます。
2025年現在の最新疫学研究によれば、性別による有意差は大きくはありませんが、
肉体労働者や反復的な手作業が多い産業では有病率が最大7%まで上昇することが報告されています。
しかし漢方院という特定の状況で、私が診た患者さんの大多数は主婦と会社員が90%以上を占めていました。
これは日常生活で腕と手首を反復使用することで生じる過使用症候群です。つまり特定の部位を使い過ぎて生じる疾患を指します。
📊 症例
50代の主婦患者さんは数ヶ月間、右側肘部の痛みに悩まされていました。
やはりテニスは全くしていませんでしたが、手首を回したり物を持つことが困難でした。
特に台所の仕事と重い鍋を持つ際に痛みが強く、物を落とすこともあったそうです。
詳細な問診と簡単な理学的検査で部分破裂が疑われたため、超音波で確認したところ
症状に不釣り合いな過度な線維化と石灰化が見られました。
お聞きしたところ、痛い時は急いで注射を受けて鎮痛剤で我慢していたとのことです。
これでは治療が複雑になります。
まず癒着した線維化部分と石灰化部分を刮針と薬針で癒着剥離
その後弱化した部分を加熱式火針と刺絡と薬針などで再発を防止する必要があります。
初期の痛い時に簡単な治療で治せる治療がこのように複雑になります。
痛い時に休むことができない会社員やお母さんたちがこの疾患をたくさん経験する理由です。
✅ 対処法
突然肘の痛みを感じたら、次の3つをすぐに実行してください。
1️⃣ 第1に、肘と手首を十分に休ませることが重要です。
痛みを引き起こす反復動作を最小限にし、可能であればその活動を一時中止してください。
2️⃣ 第2に、痛みの部位に15分程度の冷湿布を行い、炎症を落ち着かせてください。
腫脹と熱感がある時に特に有効です。
3️⃣ 第3に、手首を後ろに曲げて肘下の筋肉をやさしく伸ばすストレッチを行ってください。
この際、痛みのない範囲内でゆっくり進めることが重要です。
🚨 注意 | 必ず確認すべき兆候
✔ 夜間痛 もし夜間に肘の痛みが強くなったら注意してください。
✔ 機能低下 物を持つことが困難なほど痛みが悪化した場合も同様です。
✔ 炎症反応 肘が腫れたり熱感が感じられる場合は専門家の診察が必要です。
✔ 薬剤無効 肘の痛みに消炎薬を服用しても症状が改善しない場合は診察を受けてください。
急性痛を放置したことで慢性痛に移行し、安静だけでは解決しない状況になっているわけです。
このような場合は、残念ながら漢方院や病院のお世話になる状況が生じているのです。
🧠 理由
テニス肘が主婦と会社員に多い理由は、肘と手首を過度に使用するためです。
料理、掃除、赤ちゃんの世話など主婦の反復的な腕の使用が主な原因です。
会社員はキーボード、マウス使用や重い書類の運搬により肘腱に負担がかかります。
小さな衝撃が繰り返されると肘腱に微細な損傷が生じ、炎症が発生します [1]。
この時、適切な休息が必要なのですが、鎮痛剤で一時的に痛みを抑えた後も使用を続けると、
炎症が線維化を、線維化が石灰化を、石灰化が部分破裂を引き起こす慢性再発性テニス肘が完成します。
これはまるで古いゴム紐が繰り返し伸び縮みして切れるのと似ています。
🔚 終わりに
テニス肘は当然のことながらテニス選手の専有物ではありません。
むしろ主婦と会社員が日常生活での不適切な姿勢と適切な休息および治療を受けられないために多く経験せざるを得ない疾患です。
初期段階で肘の痛みに関心を持ち、適切に対処することが重要です。
肘の痛みを感じたら、躊躇せずに漢方院に相談してください。
皆さんの健康な日常を応援しています。
✍️ 東制堂漢方院 院長 最長赫 作成 / 監修
❓ FAQ
Q. テニス肘はテニスをしなければならないですか?
いいえ、テニス肘はテニスと無関係に発症する可能性があります。先ほど申し上げたように、主に腕と手首を繰り返し使用する主婦や会社員に一般的に見られる疾患です。日常生活での無理な動きが原因になることができます。
Q. 肘の痛みはプラスターと鎮痛剤だけで大丈夫ですか?
一時的な痛みの緩和にはプラスターが役立つ場合があります。しかし根本的な解決策ではありません。一般的な鎮痛剤やプラスターは症状を一時的に忘れさせるだけです。原因を見つけなければ痛みが再発したり慢性化する可能性があります。
Q. 漢方院ではテニス肘をどのように治療しますか?
漢方院では痛みの緩和と腱の回復を支援します。針治療と薬針治療で炎症を軽減し、気血循環を改善します。重症の場合は刮針と刺絡、加熱式火針を使用します。もちろん損傷した組織の再生を助ける漢方薬も処方します。正しい姿勢と生活習慣の改正による再発防止も重要です。
📚 参考資料
[西洋医学(WM)] [1] American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS). (2020). "Lateral Epicondylitis (Tennis Elbow)."
[漢方医学(KM)] [2] 大韓漢方医学会. (2022). "肘痛漢方臨床診療ガイドライン(Lateral Epicondylitis in Korean Medicine)."